プレディクティブコールとは プログレッシブコールとの違いも説明
前回はコールセンターの業務であるアウトバウンド(発信)とインバウンド(受信)をご紹介しました。
今回はアウトバウンド業務の架電方法であるプレディクティブコールについてご説明します。
プレディクティブコールはいろいろな呼び方があります。 プレディクティブダイヤリング(ダイヤラー)プレディクティブ発信、自動予測発信、さきがけコールなど。 ※ 本記事内では「プレディクティブコール」を使用します。
「プレディクティブ(predictive)」とは、「予測的な」と言う意味。 これが「自動予測発信」と呼ばれる理由なんですね。
プレディクティブコールとは
プレディクティブコールとは登録された電話番号へシステムが自動で発信する方法です。 発信時の流れは以下のようなイメージです。
相手が電話に出る場合
- 登録された電話番号(顧客リスト)に対しシステムが自動的に発信
- 相手が電話に出る
- 通話終了後オペレーターが対応履歴を入力し受け可に戻る
- 次の電話番号へシステムが自動的に発信する
相手が電話に出ない場合
- 登録された電話番号(顧客リスト)に対しシステムが自動的に発信
- 発信した電話番号が応答しない(一定時間コールしても出ない、話中、着拒、携帯の電源OFFなど)
- 次の電話番号へシステムが自動的に発信する
プレディクティブコールが支持される最大の特徴は空きオペレーターの人数より多くシステムが発信できる点です。
例えば待機中のオペレーターが5人いる状態で発信倍率を2倍に設定すると、システムは10回線(5人×2倍)同時発信し応答したコールだけをオペレーターに繋ぎます。 手動発信するよりも短時間で大量に発信できるため、電話が繋がりにくいとされる個人への発信業務で効力を発揮します。
プログレッシブコール=プレディクティブコール?
プレディクティブコールと同じような機能として「プログレッシブコール」と言う機能があります。 プログレッシブコールとプレディクティブコールは同じ機能として扱われることが多いですが若干異なります。
プログレッシブコールはシステムが自動的に発信する点においてはプレディクティブコールと同じですが、システムから発信可能な数=対応可能なオペレーターの数である点が異なります。
上記の特徴からプログレッシブコールは電話が繋がりやすい法人や既存顧客への発信に適していると考えられます。 プレディクティブコールよりも発信数は少なくなりますが手動発信より効率が良く、オペレーターの作業負担も少ない方法です。
プレディクティブコールのメリット
プレディクティブコールのメリットを以下にまとめます。
作業効率UP
繋がりにくい顧客への発信に効力を発揮します。
オペレーターの作業負荷軽減
手動でかけなくてもよいためオペレーターは会話に集中できます。応答のないコールは対応履歴入力不要のため後処理時間も減少します。
コスト削減
接続率を分析することで適正な人数配置が可能です。
プレディクティブコールのデメリット
便利なプレディクティブコールですがデメリットもあります。
回線数を多めに契約する必要がある。
設定する発信倍率に応じて回線を多めに契約する必要があります。 不用意に倍率を上げると回線が不足する可能性があるため注意が必要です。
オペレーターの数以上に繋がるとガチャ切りになる
対応可能なオペレーターがいない状態で相手が応答してしまうと繋ぐ相手がいないためシステムが自動的に切断します。 システムも対応可能な人数に応じて発信数をコントロールしていますが、時には運悪くガチャ切りになってしまう可能性も。 発信倍率を上げすぎるとガチャ切りが起きやすいので、発生した場合は倍率を下げるなどの調整が必要です。
繋がったコールは自動的にオペレーターに割り振られるため精神的負担がある
自分で発信したコールが繋がるのではなくシステムが自動的にコールを配分するため急に通話が開始することになります。 オペレーターは心の準備をするのが難しく手動発信よりも精神的な負担が上がる可能性があります。
プレディクティブコールに対応しているシステム
アポ王コネクト プレディクティブコール
プレビューコールとプレディクティブコールの2つから選択でき、1席から導入可能なようです。
まとめ
アウトバウンド中心のコールセンターではプレディクティブコール機能を使用するか否かで作業効率が大幅に変わってきます。
しかし顧客の属性によってはプレビューコールが適しているケースがあるためプレディクティブとプレビュー両方使用できるシステムを導入し状使い分けするのがベストですね。
システムによってはプレビューしか使えなかったりプレディクティブがオプションの場合もあるので、導入前にチェックしてくださいね。