コールセンターに合ったチャットサービスの特徴とは
需要の高まりを受け、近年さまざまなチャットサービスが提供されています。
https://ai-products.net/9587/chatbot-chaosmap-2019/ 出典:【最新版】チャットボットのカオスマップを公開|AIsmiley
みなさんのコールセンターでも、1度は業務効率化の施策としてチャットの導入を検討されたことがあるのではないでしょうか。
最近では、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、チャットボットの利用が増加傾向にあると言う調査結果も出ています。
今回は、たくさんのチャットサービスでコールセンターに合っているものがどれなのかを考えてみたいと思います。
コールセンターに合ったチャットサービスとは
私の主観になりますが、幾多あるチャットサービスの中でコールセンターに合っていると 感じるのは以下に当てはまるものです。
- オペレーターの負担を軽減できる
- コールセンターシステムに近い動きでつかいやすい
次は、それぞれの内容について詳しくみていきたいと思います。
オペレーターの負担を軽減できる
コールセンターは、お客様からの問い合わせを解決する、大切な仕事です。 しかし、以下のようなことが続くとオペレーターも負担に感じるのではないでしょうか。
- 対応件数が多く息つく暇もない
- 何度も同じ内容の問い合わせが入る
- 実はFAQやマニュアルを見た方が早く解決する
対応件数数が多いと単純に疲労が溜まりますし、「またこの問い合わせだ…」と言う風に傾向が掴めているなら、オペレーターに繋ぐ前に何か対策が打てそうですよね。
これらの問題をチャットボットの導入により解決した事例をご紹介します。
ネット通販を行う会社では、お盆や年末年始など長期休暇あけの営業日は電話が鳴りやまなかった。 そこで、チャットボットを導入。コールセンターが休業中もチャットボットが対応したところ休み明けの問い合わせ数が激減した。
個人顧客向けの印刷サービスを提供する会社では、問い合わせは顧客の帰宅後が中心となるためコールセンターの営業時間延長も検討したが、夜間はチャットボットに対応させ回避できた。
FAQで問題解決できなかった顧客が、チャットボットを使うことで欲しかった回答を得られるようになった。 結果的にコールセンターへの問い合わせが少なくなり、現場の負荷を軽減した。
もともとコールセンターは離職率が高いと言われています。 また、現在のコロナ禍では感染症防止の観点から、コールセンター内が密にならないようにするためにも、在宅7割を目指したいところです。
問い合わせ自体が少なくなれば、シフト制で必要最低限の人数だけ出社、その他は在宅勤務と言うこともできそうです。
コールセンターシステムに近い動きでつかいやすい
コールセンターによっては、問い合わせの内容が複雑であるなどの理由でチャットボットでは対応が難しいケースもあるでしょう。
それでは、音声通話で対応していたところをチャット対応に置き換えることはできないでしょうか。
コールセンターで使用するコールセンターシステムの中でm特に重要な機能として、「IVR」「ACD」があります。 入ってきた問い合わせを適切な窓口やオペレーターへ分配する機能ですね。
チャットでもこれらの機能を使用することができれば、コールセンターで行っていた業務を「音声」から「テキスト」にし、「出社」から「在宅」へ切り替えることができるのではないでしょうか。
実は、チャットの中には以下の機能が実装されているサービスがあります。
- 営業時間や問い合わせ内容による、チャットの分配
コールセンターシステムにおける「IVR」の役割をチャットボットが担います。 営業時間内ならオペレーターが対応し、営業時間外はチャットボットが対応するなど、IVRのようにチャットをコントロールします。
- オペレーターへの割り当て
コールセンターシステムにおける「ACD」の役割をチャットボットが担います。 顧客が入力した問い合わせ目的などをもとに適切なオペレーターへチャットを割り振ります。
- エスカレーション
定型的な問い合わせはチャットボットが回答し、複雑な内容の場合は有人オペレーターへエスカレーション。
これなら、コミュニケーションが音声かテキストかの違いはありますが顧客対応に至るまでの流れはそのままです。
どうしても電話窓口も残す必要があれば、交代制で少人数での出社にすればリスク抑えることができます。
導入の目的をはっきりさせることが重要
チャットサービスを導入するにあたり、大切なポイントがあります。 それは、導入で得られる効果(目的)を明確にすることです。
「新しいソリューションを導入して問い合わせ数を減らそう」と言う曖昧な目的ではなく、「FAQのチャットサービスを導入して、コールセンターへの問い合わせを削減しよう。そのためには…」と言う様にどの様な効果を得たいのか、具体的なイメージを持つことが必要です。
また、業態によってはチャットが不向きなケースもあります。 新しいソリューションを導入する事は一時的に現場の負荷を高める可能性があります。 製品の比較も大切ですが、そのためにはまず課題のあぶり出しと解決方法を十分検討することが重要です。
まとめ
今回は、コールセンターと親和性の高いチャットサービスについてご紹介しました。
顧客の「困った」を解決するコールセンターの仕事はとても重要ですが、一方で自己解決ができればお互いにとって一番ですよね。 一方で、電話でのコミュニケーションでなければ情報の伝達が難しい内容もあります。
電話をかけたらすぐ繋がる、対応するオペレーターも丁寧に対応できる余裕があるのも同じくお互いにとってよい状態です。
コールセンターによって抱えている課題は異なると思いますが、新しい窓口としてチャットを導入できないか検討されてみてはいかがでしょうか。