「在宅7割」実現のためにできることは?チャットボットの活用
新型コロナウイルスが依然として猛威を振るっています。 東京では新規感染者数が200名を超える日も増えてきており、日に日に警戒感が高まっています。
東京都は、4段階ある警戒レベルの内最も深刻な表現に引き上げており、政府からは各企業が社員のテレワーク率70%を目指すようにとの要請がありました。
5月の緊急事態宣言解除後、3密になりやすいと危惧されるコールセンターにおいても、業務にに支障をきたすと言うことで通常の勤務体制に戻したセンターもあるかと思います。
このような状況下で、コールセンターやそこに勤務する方々の安全を守るための対策ができないか、考えてみたいと思います。
電話でなければ解決しないのか
以前も別の記事で取り上げましたが、コールセンターに電話をしなければ解決しない問題は、意外と少なかったりします。
契約に関わる内容など本人確認が必要なケースは仕方ありませんが、利便性の観点からオンラインで手続きが完結するサービスも増えていますし、不明点はFAQを見れば解決することが多いものです。
また、急ぎでない場合は問い合わせフォームから連絡すると言う方法もあります。
しかしながら、「調べるのが面倒」「電話が一番早い」などの理由でとりあえず電話しているケースはかなり多いと推測されます。
平常時であればまだしも、今は緊急時です。 顧客に周知し、コールセンターへの連絡は必要最低限度にするよう協力を促すことはできないのでしょうか。
チャットボットと言う選択肢
「コールセンターへの問い合わせは必要最低限度に」となると、問い合わせ経路が1つ減らされたような印象は否めません。
そこで、電話に代わる新たな問い合わせの手段として、「チャットボット」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
チャットボットとは、音声やテキストにより自動会話するプログラムのことを言います。 蓄積されたデータから適切な回答を行うものや、特定のキーワードを元に決められた回答を表示するものなどがあります。
りらいあデジタル株式会社の分析によると、同社のチャットボットサービスの利用者は、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務などが本格的となった3月度において、サービス全体の利用数が前月比+38%となったそうです。
導入する企業が増えている背景はさまざまありますが、感染症対策としてコールセンター・コンタクトセンターの縮小や閉鎖による対策として導入されたケースもあるようです。
在宅勤務に適したチャット
政府から要請のあった在宅7割ですが、コールセンターが在宅勤務になりにくい理由の一つとして、電話対応を自宅で行う場合、以下のようなの問題があり移行に躊躇することが考えられます。
- 顧客との会話中に生活音が入ってしまう
- 音声が外に漏れてしまい第三者に聞かれてしまう
- 顧客からの電話を自宅でどうやって受けるのか(コールセンター宛の電話を携帯電話に転送?)
その点、チャットやメールなどテキストを使った顧客対応であれば、周囲の環境をを気にせず作業することができます。
定型的な質問はチャットボットが対応し、チャットボットでは回答できない複雑な問い合わせだけをオペレーターがチャットで回答すれば、電話対応を最小限、もしくは0にできるかもしれません。
まとめ
感染拡大防止策として、「在宅勤務7割」「時差出勤」などの協力が求められています。
上記を実現するためには、問い合わせの減少や自宅で業務を行えるように工夫する必要があります。
電話は確かに便利な問い合わせ手段です。 しかし、コールセンターはいつまでもマンパワーに頼った運営を続けてゆくのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の流行により、ニューノーマルなコールセンターの在り方が議論される様になってきました。
コロナ禍を乗り切るための一過性の対策ではなく、これを機にIT技術を活用した新しいコールセンターの形を模索してみてはいかがでしょうか。